サッカー日本代表ワールドカップアジア最終予選イラク戦の寸評
気温37℃を超すイランの首都テヘランでの開催に選手の疲労度は限界を達していた。フォーメーションによる消耗が激しかったのが原因。タフな試合で光を放ったのはやはり本田圭佑だった。収穫は遠藤航。
消耗するフォーメーションの典型的な配置
まず考えられない4-3-3の配置。ダブルボランチをおくことでサイドへのケアが必然的に。これにより両サイドアタッカー、本田、久保のDFへの負担を減らすことが目的であったと考えられるが、全く機能しなかった。
ではアンカーを置いた従来の布陣では、両サイドアタッカーの守備意識が必然的に働くので、配置よりも幾分守備に重心をおいた位置取りになる。また原口のポジションが中央だが、右、左に一人づつ配置されるので、インサイドハーフの選手がサイドへの守備意識が働く。
で、選手心理的として本田、久保の両選手は攻撃に重心を置きたかったはずが、ボランチのケアが機能せず、深い位置から深い位置まで走ることを余儀なくされ、消耗してしまった。その消耗が他へ伝播し、走らされることが選手への負担へとつながった。
単純に、本田、久保は同サイドの深い位置でボールを相手に保持された場合、井手口、遠藤に任せるべき。なのである。自陣に帰ってくる必要はなく、井手口、遠藤がサイドに流れた場合に原口がボランチのカバーに入るという動きが必要。以下の画像の通り黒点は相手選手
サイドアタッカーはできるだけ前に残す
明らかにサイドアタッカーの負担が減ります。全員で守ることが重要ですが、サイドバッグとボランチで挟み込めますから、バックパスにたいしてプレッシャーをかける程度の役割で良い。ヘタに自陣深くまで下がっていうと、簡単にクロスを上げられるので下がるべきではないんです。
やはり守備は守備の人間が上手なんで、クロスを上げる選手に対しても寄せ方や切り方一つで、クロスの精度を下げれます。
大迫の見事なヘディングシュート
前半開始早々、拍子抜けするような時間帯に決めた先制点。非常に上手なヘディングシュートでした。コーナーキックの精度も高かった。
本田圭佑のタフさはスゴイ
所属チームでわずかな時間しか出場していない選手には見えない動き。後半40分過ぎての奪取力には目を疑った。まだこんな走れんのか?とこういったタフな試合で本田圭佑がもつ、違いは立証されます。
遠藤航が収穫
バランスの良い選手がやはり遠藤航。初出場であの環境下で十分すぎるほどバランスとりました。対空も強いですし、対人も強い、縦パスの精度も良い。長谷部の代役は遠藤航が担うでしょう。井手口とのダブルボランチはこれから先の日本代表の心臓部を担うでしょうね。
遠藤航の良いところは最終ラインもこなせるところですね。今回のイラク戦でも後半からはフォーメーションいじくって、守備に意識傾けて、浅野投入してカウンターで追加点という戦術とれたんですよ。こんな感じね。
当日の試合のように井手口、酒井宏樹が負傷交代したと考えるとこういう具合にする必要があります。
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