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世論が許さない5バッグ!亀のように守り鶴のように攻める。W杯を勝ち抜くためのハリルの戦略

11月10日に行われたVSブラジルでは3-1という結果に甘んじた日本代表。心のどこかで拮抗した試合を期待していたファンも少なからずいたでしょう。スコアだけみれば善戦したようにも見えますが、内容は全く歯が立たなかったという現実。ハリルホジッチ監督が口酸っぱく言っていた、デュエルの面で完敗。選手間のギャップを突かれ、後手後手に回る守備のスペースが崩壊した。この結果を受けて、ハリルホジッチ監督は今までの戦いでは勝てないことを選手に知らしめた。ようは5バッグを採用するための長い布石を打っていたと私は考える。


 

 

■デュエルに勝てない相手に対してどう守備するか?

1対1の局面が数多くみられた試合。もちろん周りに選手がサポートするためにポジショニングをしているのだが、日本代表の守備のプレスに対して、全く焦らない技術とスピードを持っている強豪国は、距離感を詰めてこれば抜くし、距離感が開いていいればパスで散らす。

 

 

パスコースを切っていると選手は思っていても、簡単に通してくる。あれ?右切ってるのに、なんでそこに通る?のような場面が多くありました。特にマルセロ、ウィリアン、この二人に終始やられていました。ウィリアンの加速力に並走するしかできない日本代表。マルセロのワンツーに対応できない日本代表。守備の数が上回っていても、まったく頼りにならない最終ラインの押上。

 

 

個人のスピードに対する恐怖が、重心を後ろ後ろに下がってしまい、中盤からのプレスに対して、裏をとられることを嫌がったDFラインの中途半端な守備が、中盤選手の負担を激増させてしまう。という具合ですね。

 

 

■亀のように守る

前回のW杯、8強までのぼったコスタリカの試合を見ていた人は分かるでしょう。死のグループD、イタリア、イングランド、ウルグアイに対して2勝1分けという成績でグループリーグを首位通過!!ギリシャをPKの末制して、オランダ相手にPKで敗れた、あのコスタリカ。

 

 

彼らが行った戦法。亀ですよ。スペイン語でいうとトルトゥーガですね。最終ラインを低く低く保ち、守備一辺倒。0-0狙いの戦い方。あわよくば鶴のように舞い、得点をもぎとるブライアン・ルイス、ジョエル・キャンベルの二人でゴールまで迫る!

 

 

この戦術しかないですね。ほかにもアルゼンチン代表と対戦したイランも、亀のように守ってました。最後の最後にメッシにやられるまでアルゼンチンの猛攻をしのぎ、カウンター一発であわや!というチャンスを演出していたんですよ。

 

 

■なぜ5バッグを採用できなかったのか?

まず、アジアではイラン、韓国、オーストラリア、日本はトップクラスであり、追うよりも追われる立場にあり、戦術的に弱いとされる相手に対して、5バッグという選択は世論が納得しない!

 

 

 

 

■初速が違う相手に対して間合いを詰めても無駄。

サッカーで大事な止める、蹴る、走る。ですが、止める蹴るに関しては技術の向上が見込めますが、走ることに関しては外国勢との差が非常にあります。例えば100ⅿでは桐生君が10秒を切り、世界と戦えるだけの力がついてきましたし、100ⅿ×4リレーなどは銅メダル取れる技術力が日本にはありますね。しかしサッカーに関して100ⅿ走ることは100%ないんです!!

 

 

大事なのは10ⅿ、30ⅿの速さ。瞬発力なんですね。ブラジル戦のウィリアン見たでしょうか?初速からトップスピードですよね。またその状態でボール操ることができるんです。前に進む人と、バッグ走する人が勝てるわけありません。1mの距離感で守備しても、ボールを取られまいばしょまでドリブルしかけると、ついてこれないですから。

 

 

ペナエリ付近では密集しているためにスペースが少なく、トップギアでつっかけても別の選手のテリトリーにはいるので防げますが、バイタルからセンターサークル付近で間合いを詰めても全く歯が立たないんですね。かつ、パスアンドゴーが徹底しているので、詰めすぎると容易にワンツーで抜かれ、後ろの守備陣がスライドする対応。サイドが空く。サイドを突かれ、クロス!ぼん!!ですね。

 

 

■ハイプレスは不要

よって、ブラジルなどの強豪国に対して、むしろアジア以外の対戦相手の場合は高く奪うという戦術は当てはめてはいけないんです!ハリルホジッチ監督は就任後すでに見破っていたでしょう。口酸っぱくデュエルといってたのには、選手に自覚させるためですね。

 

 

初速が違う相手に対してハイプレスかけてショートカウンターなどは無理!身をもって体験して、挫折して、亀のように守る戦術で本番は行くぞ!という長期にわたる指導。サッカーファンや関係者、世論を黙らせるためのブラジル戦。すごい策略家ですね。ベルギー戦は5バッグですよ。5バッグ。

 

 

■鶴のように攻める。

簡単ですね。2枚+@です。足の速いフィニッシャーと、ボールをはたけるFW。浅野拓磨と大迫勇也(岡崎慎司)のツートップを残し、あとは亀のように守らせる。

 

 

ボールを奪ったら大迫めがけてパスを出す。大迫はワンタッチで裏のスペースにパス。浅野が走り込んでGKと1対1.これでいいんです。ボールは80%保持されても結果1-0で勝てば大衆は万々歳!W杯本番でアルゼンチン相手に1-0で勝ってみなさいよ!内容なんてどうでもよいでしょう!守備陣よくやった!カウンターよく決まった!最高じゃないですか。

 

 

内容にこだわるまでの実力が世界と開いているんですから、組織力と戦術で勝たないと勝てないですよ。

 

 

■5バッグ、3バッグの変化

5バッグになると守備偏重になりアジアで戦う場合どない変化に対応させるの?となりますが、簡単なんです。守備を開始する位置。最終ラインの設定ですね。最終ラインは基本ペナエリラインまで5枚下がる。中盤の3枚は中央バイタルまで、ツートップが適当にプレッシャー。ほぼかけないプレッシャー。

 

 

日本の悪い特徴で、サイドバッグが最終ラインの中央に寄りすぎるクセがあります。結局サイドが空いてしまい、そこから崩される!という具合が多いんですね。5バッグでサイドをケアできるように中央部に三枚。サイド気味に2枚。これでサイド対応OK。真ん中にボールが入ってこれば、ボランチが挟み込む。といった具合です。

 

 

で、アジアで戦う場合は最終ラインの設定を高く上げていけば、おのずと中盤のデュエルで勝てますから、カウンターでもいいですし、じっくり崩す場合はサイドが駆け上がればいいんですね。無駄にサイドバッグが上がりすぎているのが日本の敗因です。

 

 

 

■ベルギー戦の5バッグと5バッグに欠かせないあの選手!

GKは川島。DFが左から長友、槙野、吉田、昌子、酒井宏樹、中盤は並行で山口、長谷部、井手口、FWに大迫、浅野。これでOK。

 

 

で、世論のみなさんサッカー関係者だまらっしゃい!ですね。香川も乾も出したいけども、出場できるポジションがない!大事なのは守備力。苦汁の決断ですが、出場機会がないのではないでしょうか。

 

 

補強として見合う戦力は、やはり今野泰幸を筆頭にセレッソのソウザやアントラーズにレオシルバなんですが、帰化してくれなさそうなんで、日本の中盤、守備の強い選手。福西や、稲本のような選手がいないと本番厳しですね。代わりがいない。

 

 

長友、今野、吉田、昌子、酒井宏樹、

山口、長谷部、井手口

 

この並びか、1枚怪我した場合などは

長友、槙野、吉田、昌子、酒井宏樹

山口、長谷部、井手口、

 

長友、吉田、長谷部、昌子、酒井宏樹、

山口、今野、井手口

 

こんな具合なのよね。

山口、長谷部、今野、井手口の代わりがいない!やっとさんに戻ってきてもらうか。レオシルバ、ソウザしかいないよ。日本の少年たちは守備的な中盤を極めればチャンスが回ってくるぞ!華やかなゴールよりも中盤とDFを伸ばしていけ!

 

 

 

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