中田英寿のキラーパス!小野伸二のエンジェルパスと形容された天才MF
10代でフランスW杯に出場し、浦和レッズ、オランダのフェイエノールトでも活躍した小野伸二選手。オーストラリアのウエスタンシドニーをへて、札幌に加入。J1に復帰した札幌が浦和レッズと対戦!今が全盛期より上手いかどうかは別として、愛される小野伸二の姿が埼玉スタジアムに浮かび上がった。
2017J1第8節,浦和レッズVSコンサドーレ札幌
後半立ち上がりからの鑑賞となった今試合。浦和の大量得点を期待してチャンネルをつねってみたが、2-1というスコアに少なからず動揺したのは言うまでもない。レッズ相手に堂々と渡り合っていた札幌陣。中でも目を引いたのは福森晃斗の正確なクロスだった。
後半だけでも正確な左足のクロスで決定機を演出したが、フリーキックで直接ゴールにねじ込んだ、縦回転の低いシュートは見事だった。
小野伸二がピッチに入ったのは、福森晃斗が直接フリーキックをねじこむ、8分前。サッカーファンならだれしも、古巣レッズと相対する天才小野伸二の姿を観たかったはずだ。
レッズ槙野に遅れてタックルしイエローカードを受けた荒野拓馬に変わって、後半34分、スコアは1-3で札幌のビハインド、小野伸二が登場し、札幌の逆転勝利というシナリオには少し開きすぎた点差であった。
しかし、試合を観戦していたレッズ、札幌ファンのみならず、Jリーグファン、サッカーファン、誰もが背番号44のプレーを観たくてたまらなかったはずだ。
小野伸二がピッチに入る準備をし、交代の表示板が高く持ち上げらられた瞬間、埼玉スタジアムに拍手と歓声と一応のブーイングが鳴り響いたんだ。
サッカー選手に限らずプロスポーツ選手の現役時代は短い。高校卒業後プロになり、約20年間走り続けてきた小野伸二が埼玉スタジアムに立つ姿をレッズサポーターも心待ちにしていたのではないか?
小野伸二に対する敵意よりも、敬意が確実に上回っているのをテレビを通して伝わってくる。所属したチームから拍手で迎えられる現役選手が何人いるだろうか?おそらく僕は小野伸二だけではないかと考える。
同年代の遠藤保仁や一つ上の中村俊輔はいまでも第一線で活躍する選手であるが、小野伸二に形容されたエンジェルパスという表現にあるように敵味方のハートを射止めたのは小野伸二が唯一かもしれない。
近年のJリーグは移籍に関するアレルギーも少なくなり、選手間の移籍が多くなっているが、いささか不思議な現象が起きていると感じていることがある。古巣との試合でゴールを決めても、喜びを爆発できないのだ。
先制点でも、追加点でも、同点弾でも、逆転弾でもそうだ。つい先日行われたサンフレッチェ広島VSベガルタ仙台の試合にもあった。2-0と広島がリードで進む試合展開。ベガルタ仙台が2点取り2-2の状況になった。
数年前にサンフレッチェ広島から、ベガルタ仙台に移籍した石川直樹が
逆転のゴールを決めた!試合展開からすると、選手もサポータも大興奮である。石川直樹も喜びが爆発して、アドレナリンが出まくる状況にも関わらず、嬉しさをかみ殺すような仕草にみえる。
選手が決めたゴールのパフォーマンスや所作や仕草に難癖をつけるわけではないが、一人のサッカーファンとしては、もぎ取った1点に対するご褒美として喜びを爆発させるのは良いことだと思う。
確かに、悪童であったり、ヒール役がいる背景で観戦するサッカーも面白いのだが、石川直樹は広島で頑張ってスタメン勝ち取り、優勝まで経験し、レッズで出場機会に恵まれず、新天地のベガルタ仙台でスタメンを勝ち取ちとりゴールを決めた。
サッカーが趣味でないと知らないような選手であるが、こういった日本代表に選ばれるような選手が頻繁に移籍をし、古巣相手に決めたゴールでは喜びは抑えるような結末は少し寂しく感じる。セレッソの山村和也も鹿島戦で決めたゴール後はあまり喜ばない印象を受けた。
小野伸二がレッズ戦でゴールを決めたら、どうするだろうか?私はこう思う。喜びを爆発させるだろう。そして小野伸二に奪われたゴールは、納得させるだけの理由がそこにあるのだろう。
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